火天(かてん)
天
梵名をアグニといい、古代インド神話の神々の一柱
仏教において火を神格化した神であり、
十二天の一人です。インド神話の火神アグニが仏教に取り入れられたもので、智慧の火で煩悩を焼き尽くし、人々を導く役割を持ちます。密教では
護摩供養の最初に行われる「
火天段」で供養され、
大日如来の智慧の火と観想されることもあります。
護法神(ごほうしん)として
八方天や
十二天の一尊に加えられた。
東南方を守護する神とされる。
体は赤色、髪は白色で、常に苦行仙人の形をして火炎中に座している。
火天の姿と特徴
仙人の姿:苦行する仙人のような姿で描かれることが多いです。
持物:四本の手に、三角印(火の燃える姿を象徴)、数珠、水瓶、仙杖などを持ちます。
シンボル:三角印は火の燃える形を象徴し、五輪塔婆でも火のシンボルとして使われます。
煩悩の焼却:火天は自身の智慧の火で人々の煩悩を焼き尽くし、真実への道を示すとされています。
神と人の仲介役:供物を天上の神々に運ぶことで、神と人との仲介役を果たします。
守護と繁栄:古代インドでは家庭の守護神であり、消化を司ることから生き物の健康や子孫繁栄にも寄与すると考えられていました。
護摩供養:護摩の供養には火天が欠かせず、火天供養から始まる「火天段」が最初のプロセスとされます。
ご利益
コンプレックスやトラウマの解消、心の安定、幸福への導きなど
十二天の神々
帝釈天(東):インドラ神
火天(東南):アグニ神
焔摩天えんまてん(南):ヤマ神
羅刹天らさつてん(西南):ラクシャサ神
水天(西):バルナ神
風天(西北):ヴァーユ神
毘沙門天(北):クベーラ神
伊舎那天いしゃなてん(東北):シヴァ神
梵天(天):ブラフマー神
地天じてん(地):プリティヴィー女神
日天にってん(日):スーリヤ神
月天(月):チャンドラ神
- 護摩供養(ごまくよう)とは、真言宗や天台宗などの密教寺院で、不動明王などの本尊の前で火を焚き、願い事を書いた「護摩木(ごまき)」を投げ入れて煩悩(災いの元)を焼き払い、諸願成就を祈る代表的な儀礼です。
- 火天段(かてんだん)は、真言密教の護摩供養において、中心となる本尊(不動明王など)への供養後に、火の神である「火天(アグニ)」へお供え物をして供養する儀式の段階です。大日如来の智慧の火で煩悩を焼き尽くす護摩行において、火天への敬意と供養を通じて護摩法を円満に成就させる意味があります。
- 四天王|弁才天|勧喜天(聖天)|深沙大将|迦楼羅|吉祥天|鳩摩羅天|十二神将|善女龍王 |大黒天 |摩利支天
- 白川郷の合掌造りの家の火天