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名所めぐりは過去に行ったことのある土地の紹介です。

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阿閦如来(あしゅくにょらい)

如来

阿閦如来(あしゅくにょらい)は、大乗仏教の仏で、東方の「妙喜世界(みょうきせかい)」に住み、怒りを克服し迷いを断ち切る力を授ける仏です。
梵名「アクショーブヤ」は「揺るぎないもの」を意味し、不動如来とも訳されます。
密教では「金剛界五智如来」の一尊で、「大円鏡智」という鏡のようにありのままを映し出す清らかな智慧を司ります。
左手で袈裟の端を握り、右手で地を触る「触地印(そくちいん)」の姿で表されることが多く、これは悪魔を退ける釈迦の逸話に基づいています。
阿閦如来(あしゅくにょらい)
意味と徳目
「阿閦(あしゅく)」はサンスクリット語の「アクショーブヤ」の音写で、「動じない」「不瞋恚(ふしんい)」「無怒」などを意味します。
過去世に「怒り」を断ち切って悟りを求め、功徳を積んだ結果、阿閦如来となったとされています。
人間が持つ「怒りの心(瞋恚)」を克服し、何事にも動じない揺るぎない心を授けるといわれています。
位置と役割
大乗仏教では、西方に阿弥陀如来、東方に阿閦如来が位置づけられ、阿閦如来は東方の「現在仏」とされます。
東方の「妙喜世界(アビラティの世界)」に住み、そこで悟りの道を説いています。
密教においては「金剛界五智如来」の一尊であり、東方の主尊とされます。
姿と印相(いんそう)
密教における阿閦如来像では、左手で自身の袈裟(衣)の端を掴み、右手は指を伸ばして右膝に置き、指先を大地に触れる「触地印(降魔印)」を結んでいます。
この触地印は、仏が悟りを開く際に悪魔の誘惑に打ち勝ち、地神が現れて悟りを証明した逸話に由来し、真理を求める強い心の象徴とされます。
智慧と功徳
密教における「大円鏡智」という智慧を具現化しており、これは鏡のようにありのままの物事を映し出す清らかな心を表します。
真言(マントラ)は「オン・アキシュビヤ・ウン」で、諸悪の煩悩を破壊し、菩提心(悟りを求める心)を顕現させる功徳があるとされます。

ご利益
恐怖や迷いに打ち勝つ強い心を授けること、健康運・メンタル強化、病気平癒・無病息災、そして滅罪・懺悔です。これは、「大円鏡智(だいえんきょうち)」と呼ばれる、鏡のように物事の本質をありのままに映し出し、真実を見抜く智慧を具現化した仏であるためです。

関連

  • 大日如来釈迦如来阿弥陀如来薬師如来 | 毘盧遮那仏
  • 妙喜世界(みょうきせかい、サンスクリット語: Abhirati)は、東方にある阿閦如来(あしゅくにょらい)の仏国土(浄土)です。この世界は、阿閦如来が因位(修行中)に「決して怒らない」などの誓願を立てて建立した、清浄で荘厳な世界とされています。
  • 梵名:「梵」という漢字には、「サンスクリット語」という意味があります。 「サンスクリット語での名称」という意味
  • 金剛界五智如来(こんごうかいごちにょらい)は、密教の金剛界曼荼羅において、中央の大日如来を中心に、東西南北の四方に配された五体の如来の総称です。悟りの智慧を五つの種類に具現化したもので、大日如来(法界体性智)、阿閦如来(あしゅく:大円鏡智)、宝生如来(ほうしょう:平等性智)、阿弥陀如来(あみだ:妙観察智)、不空成就如来(ふくうじょうじゅ:成所作智)からなります。
  • 金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)は、密教の根本経典『金剛頂経』に基づき、大日如来の「智恵」の世界を9つの区画(九会)で表現した曼荼羅です。別名「九会曼荼羅」とも呼ばれ、ダイヤモンドのように堅固で何ものにも揺らがない悟りの境地を描いています。真言宗天台宗の重要な本尊です。
  • 宝生如来(ほうしょうにょらい)は、仏教(特に密教)において、全ての存在が平等であるという「平等性智」を具現化した如来です。福徳(幸福と財宝)を授ける仏として信仰され、金剛界曼荼羅の南方に位置し、人々の願いをかなえる「与願印(よがんいん)」という印相を結ぶのが特徴です。
  • 不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)は、密教の五智如来の一尊で、北方に位置し、あらゆる願いを無駄(空)にせず、必ず成就させる力を持つ仏です。成所作智(じょうそさち)という、何事も漏らさず実践し成し遂げる知恵を象徴し、人々を恐れから救う「施無畏印」を結ぶ姿が特徴的です。
  • 与願印(よがんいん)は、仏様が人々の願いを聞き届け、望むものを与える(願いを叶える)慈悲の姿勢を表す印相(手のポーズ)です。片手(主に左手)を下に垂らし、手の平を前に向ける形が特徴で、恐れを取り除く「施無畏印(せむいいん)」とセットで釈迦如来などによく見られます。
  • 施無畏印(せむいいん)は、仏教において仏や菩薩が人々の苦しみや恐れを取り除き、安心と平穏を与える「無畏(恐怖がないこと)」を施す手の形(印相)です。具体的には、手のひらを外側に向けて指を上方に伸ばした形(主に右手)で、釈迦如来の代表的な印相の一つです。
  • 大円鏡智(だいえんきょうち)は、仏教の「四智」の1つで、巨大で丸い鏡のように、すべての物事を偏見や煩悩に囚われず、ありのままに映し出す仏の知恵です。阿頼耶識(あらやしき)が転じて得られる、曇りのない清浄な心を指します。
  • 触地印(そくちいん)は、釈迦が悟りを開く瞬間に魔物を退けたエピソードに由来する、仏像の印相(ハンドサイン)です。結跏趺坐(けっかふざ)してあぐらをかき、左手は膝上で掌を上にして、右手を下ろして指先で地面に触れる姿が特徴で、「降魔印(ごうまいん)」とも呼ばれます。
  • 現在仏(げんざいぶつ)とは、釈迦(過去仏)の入滅後、遠い未来に救済者として現れる弥勒菩薩(未来仏)に対し、現時点(この世)において衆生を救済している仏・菩薩を指します。代表は56億7千万年後に現れる弥勒菩薩や、現在各々の浄土で説法する阿弥陀如来などです。
  • 真言(しんごん)とは、古代インドのサンスクリット語(梵語)で「マントラ(真実の言葉・秘密の言葉)」を指す言葉であり、仏・菩薩の真理を体現する秘密の呪文です。密教において、仏と心・身体・言葉を一致させる「三密」の修行として唱えられ、功徳や現世利益をもたらすと信じられています。