吉祥天(きちじょうてん)
天
インド神話の女神ラクシュミーに由来し、幸福、豊穣、繁栄、美しさ、家庭の調和を司る仏教の女神です。日本の仏教では、
毘沙門天の妃として信仰され、貴族階級を中心に奈良時代から信仰を集めました。右手に
如意宝珠(にょいほうじゅ)を持ち、幸福をもたらす存在として描かれ、各地の寺院で祀られています。
古代インド神話では、ヴィシュヌ神の妃とされていた神が原型です。
サンスクリット語の「Śrī-mahādevī」を訳したもので、功徳天(くどくてん)とも呼ばれます。
奈良時代(710~794年)に『金光明最勝王経』というお経が中国から伝わったのがきっかけで、日本でも知られるようになりました。
【吉祥天の像容】
顔立ちが美しく、天女の姿で描かれることが多い。
宝冠や天衣をつけ、左手に
如意宝珠、右手に
施無畏印を持ち、立ち姿で描かれるのが一般的です。
起源:古代インド神話の女神ラクシュミー(吉祥天の原語名はシュリー)が仏教に取り入れられたものです。
密教での位置づけ:密教では
大日如来の化身とされることもあります。
日本での信仰
奈良時代から:奈良時代以降、貴族階級の人々に広く信仰されました。
七福神:当初は
七福神の一柱でしたが、次第に民衆に支持された
弁財天にその座を奪われ、入れ替わったといわれています。
寺院での信仰:現在も多くの寺院で祀られており、
如意宝珠を掲げた美しい立像などが残されています。
吉祥天とその他の神様
弁財天:インド由来の女神である吉祥天は、同様にご利益をもたらす
弁財天と混同されたり、互いに人気を奪い合ったりした歴史があります。
黒闇天:災いと不幸をもたらす妹の
黒闇天(こくあんてん)と共に信仰されることもあります。
ご利益
幸福、豊穣、繁栄、美しさ、家庭円満をもたらすとされています。